令和5年度「横浜市国際平和講演会~平和のために私たち一人ひとりができること~」 2023.12.02 

横浜市国際平和講演会の一コマ

講演会「次代を担う若者が考える平和、そして実現への取組」 
講師:戸田 隆夫(とだ たかお)

2023年12月2日(土)、「次代を担う若者が考える平和、そして実現への取組」と題する「令和5年度横浜市平和講演会」が市役所1階アトリウムにて開催され、代表の戸田が講演いたしました。

国際協力の現場で豊富な経験を有する戸田が問題提起を行い、それをもとに市内の中学生9名がディスカッションを通じて主体的に考え、発表する公開授業形式で開催。

中学生たち一人ひとりがその問題に彼、彼女なりに悩み、その問題にどう取り組むか。

限られた時間ではありましたが、「国際理解教育」の第1歩が踏み出せたのではないでしょうか。

目次

■「平和」への思いを専門家と共有する機会

国際局を開設した横浜市では昨年度より、「平和に向けて自分たちには何ができるのか考え、行動する」をテーマに、国際平和について幅広い世代、特に次代を担う若い方々に関心を持ってもらう取り組みを進めてきた。本企画は、「横浜メディアビジネス総合研究所(YMBL:神奈川新聞社とテレビ神奈川、tvkコミュニケーションズの3社により2018年に創設)」との協働事業として開催されました。

紛争地域を含めて世界を熟知し、それを未来につなげたいという思いを持つ戸田氏と共に、次世代を主役に据えた企画です。

■子供たちとの対話 戸田からの投げかけ

公開授業形式の講演は、考えるポイントの提示からスタート。

「分けても分けても減らないものは何?」と「大切な人、大好きな人と一緒に何する」の2点。

同時に食料自給率、エネルギー、国際協力、給食、IT人材などの統計を通じて、世界の中での日本のポジショニングを確認しました。

ルワンダの内戦・虐殺を経験し、現在は「NPO法人ルワンダの教育を考える会」理事長として、日本を拠点にルワンダでの学校建設に注力しているゲストスピーカーの永遠瑠(とわり)マリールイズ氏より、ルワンダの生々しい出来事について語られます。

続いて戸田は、ルワンダ、カンボジア、パレスチナ、ソマリアなどで起こったことをスライドで説明していく。
そこで出された課題「もし、誰かを殺せと命令されたらどうする?」

学生たちには少々過激な課題でしたが、これが、世界で起きている紛争の現実であり、その問題を考える課題となりました。
戸田からのメッセージは「正解なんていらないから、問い続けて欲しい。語り合って、ぶつかり合って、響き合うことが大事」。

ディスカッションをおこなった後に、参加した中学生ら9名が本企画を通じて自分が感じたこと、行動すべきことについての発表に続きます。

学生らの目線から感じたこと、そして自身の体験の振り返りから本問題についての行動ができること。
平和な日本では、普段考えることのないこの問題に対して、学生らはこの課題に向き合い、それぞれに意見を述べていただきました。

中学生らは横浜で学ぶ同じ世代ではありますが、1つとして似通った発表はありませんでした。
1人ひとりが違うことを認識することこそ、「多様性の理解」「国際理解」に繋がるのではないでしょうか。

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■講師:戸田 隆夫(とだ たかお)プロフィール

・「特定非営利活動法人 Forum2050」代表
・明治大学特別招聘教授
・元JICA上級審議役

JICAでは、37年間国際協力実務に従事し、米国事務所次長、平和構築支援室長、人間の安全保障グループ長、バングラデシュ事務所長、人間開発部長、上級審議役、理事長特別補佐等を歴任。

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