「“言う”だけじゃ、未来は変わらない。」――対話と実践Forum2050メルマガ2026年5月号

Foru2026 5月号

こんにちは。Forum2050広報担当の駒走(こまばしり)拓三です。ここカンボジアでは、長い乾季が終わりを告げ雨季に入りました。こちらの雨季は日本の梅雨のように一日中しとしとと雨が降り続くわけではなく、一日のうちに1〜2時間ほど激しい「スコール(豪雨)」が降るという特徴があります。

雨が降ると、大自然の美しさが輝きを増します。植物の緑がみずみずしく映え、遺跡とジャングルが融合した神秘的な景色を楽しむ事ができます。そして雨季には良い事もたくさんあります。

例えば、

旅行費用が格安:オフシーズンのため、航空券や高級ホテルの宿泊料金が乾季に比べて大幅に安くなります。
観光地が空いている:世界遺産の遺跡群が大混雑しないため、静かにゆったりと写真撮影や見学ができます。
大迫力の水上観光:東南アジア最大の「トンレサップ湖」の水位が上がり、水上移動や水上村の観光がダイナミックになります。
涼しい時間がある:スコールが降った後は、それまで上がっていた気温が一気に下がり、過ごしやすくなります。
もし機会があれば、雨季のカンボジアを訪れてみてください!

さて、2026年メルマガ5月号では、「対話」の大切さと難しさ、「言うこと」と「行うこと」の違いについての思いをお伝えします。メルマガに対する質問、ご意見ありましたらメール等でお知らせください。こんなことが知りたいなどのご要望も大歓迎です!

―今回のニュースレターのトピック―

  1. 【団体活動実績】
  2. 【Forum2050代表 戸田隆夫からの報告】
目次

団体活動実績

1.【団体活動実績】
最近の主な活動・イベント

  • 4/21   聖地のこどもたちを支える会との電話会議
  • 4/21   ミンダナオ和平シニアアドバイザー落合直之さんへの非公式ご相談(累次開催)
  • 4/23   横浜市との打合せ(今後の平和事業について)
  • 4/27   カンボジア山本日本語学校代表理事 山本宗太さんとの意見交換
  • 4/27   高野由季(@マニラ)への非公式ご相談
  • 5/8     横浜市との打合せ(6/20難民デーに向けてのイベント)
  • 5/8     杉並区区民生活部(平和事業関係)への御挨拶
  • 5/9     聖地のこどもたちを支える会代表井上弘子さんへの御挨拶
  • 5/11   一般財団法人すこやかさゆたかさの研究所代表理事 畠中一郎さんへのご説明
  • 5/11   ICAN吉田文さんへのご相談
  • 5/20   ミンダナオ子ども図書館 宮木梓さんへのご相談
  • 5/20   株式会社キュリアスプロダクションによる撮影講習会・打合せ

活動の活発化に伴い、以下以外でも、それぞれのメンバーが、ジョージアとの交流会、カンボジアフェスティバルにおけるネットワーキング、バングラデシュ・カンボジアでの取材準備等でいろいろと活動を展開している旨申し添えます。

Forum2050代表 戸田隆夫からの報告

皆様

 最近、「二季」という言葉を耳にすることがありましたが、どうやら、「四季」に変わって春秋がなくなった最近の日本の気候を表わす言葉のようです。清々しい春の日々はあっという間に過ぎ去り、早々と梅雨の足音、、、、。まあ昔を懐かしんでばかりいてもしかたがありませんが、皆様におかれては、お元気で過ごされていますか?

 この1ヶ月も慌ただしく過ぎていきました。ただ、年度が始まって早々というタイミングでしたので、どちらかと言えば、仕込みの時期にあたります。その中で、気づいたことを中心に報告をさせていただきます。

■「対話」の大切さと難しさ

5月9日、長い間お会いしたかった尊敬する大先輩にお会いできました。井上弘子さんは、特定非営利活動法人聖地のこどもを支える会の創設者であり87歳となられた今も代表を務められています。井上さんは、1990年にパレスチナを訪問されたことを契機に、パレスチナのこどもたちに対する支援を開始。その後、彼の地の紛争の背景にある根深い相互不信を憎しみの連鎖に対処することが大切と考え、パレスチナとイスラエルの双方の貧困家庭のこどもたちへの支援を本格化されました。2005年からは、両地域から若者を日本に招聘し、日本の若者と共同生活をする中で、相互理解を深めるという試みを20年以上に亘って継続されています。

井上さんを訪ねた趣旨は、Forum2050が今年、平和な未来共創のための教材(私的には「学材」)を開発するに際して、アドバイスを仰ぎ、両地域からの若者へのインタビューを含め協力・協働の検討をお願いすることでした。実は、Forum2050が究極の目標とするImagine2050(世界中のこどもたちが未来共創を考えるプラットフォーム)の着想は、1990年代後半、私が、JICA在職中に、平和構築の調査研究に関わった際に、対立し争い合う地域の若者たちの対話を促進しようとしているいくつかの活動事例に触れたことがきっかけでした。

人と人が出会う。お互いへの憎しみをぶちまける。そのうえで、それぞれが生きていくために、その憎しみを超えていくことの大切さに気づいていく。言葉にすれば簡単なことですが、現実には、それは限りなく困難なことです。しかし、困難さを顧みずにそれらに取り組んでいる人々が世界各地にいると知り、これらの勇気ある試みをより多くの人々に知ってもらい、そして、できれば、それぞれがつながり、拡がりをもっていくことができたら、どうなるだろうか?

当時の私は、目先の「与えられた仕事」に取り組むことが精一杯で、その問いは、しばらく店ざらしになっていましたが、JICA退職後、自由の身になって、人生最後の時間を何に使うか、という問いを自らたてたときに、これらの対話の試みについて昔抱いた思いが蘇ってきました。1990年代は、インターネットの利便性もまだまだで、ましては、SNSもなく、対話の試みは、あくまでも物理的に時間と場所を共有する中で行われるしか他に選択肢はなかったわけです。今でも時空を共有することの大切さは変わっていません。しかし、それらの試みをより多くの人々に知ってもらったり、関心を持ってもらったり、そして、たとえささやかでもそれに関わろうという想いを抱かせたりすることの技術的可能性については、この30年間で劇的な変化がありました。

面談の間、井上さんは、何度も「大海の一滴に過ぎないけれど」と口にされました。しかし、彼女の走る姿を見てきた私には、その一滴は、あきらかに、具体的な、濃い質量と体積を含む実体だと思います。Forum2050がこれまで「気づきのプロジェクト」という名の下に行ってきたこどもたちとの対話は、この3年間で、1万2千人を越えましたが、世界中の20数億のこどもたちの数からすると、これも大海の一滴に過ぎません。しかも、井上さんが創り出してこられたような「濃い」一滴ではなく、時が経てば、流れ去り忘れ去ってしまうような「薄い」一滴かもしれません。

この9月にドラフトを完成させる予定の教材開発に際しては、井上さんはじめ先人たちの貴重な足跡からも学ばせていただき、もし許されるなら、それらの一端も、次世代に紹介できるようなものにさせていただきたい、と想いを新たにしました。

戸田さんの写真

■「言うこと」と「行うこと」の違い

 Forum2050の「2050」とは、2050年の未来を具体的にイメージすることを企図しています。2050年といえば、国連が出来て1世紀、そして、SDGsの次のアジェンダの目標年次になる可能性が高い年です。どんなに遅くても、私は、多様な世代との協働を通じて、この年までには、Imagine2050を創り上げたいと思っています。世界中のこどもたちが国境を越えて安全につながり、文化、宗教、価値観の違いを超えて、未来を共創していくための想いを交換する仕組みは、当然ですが一朝一夕に出来るものではありません。しかし、今、確実に言えることが少なくとも2つあります。

 1つは、その構想が少なくとも技術的財政的には可能な時代に入っているということです。以前にも触れましたが、何十億という規模で人々を巻き込むプラットフォームはすでにこの世に存在します。問題は、それらの多くが、連帯と友情を育むものというよりは、むしろ、分断と敵対を育むことになってしまいがちな傾向があるということです。また、多くの若者たちにとって、それらは不可欠なものとなりつつありながら、同時に、彼らの心を蝕むリスクもあるということです。しかし、おそらく間違いなく、近未来において、これらの分断と敵対を避け、連帯と友情を育むためのアルゴリズム(ピーステクノロジーの一翼)が開発されてくるはずです。

 二つ目は、誰かが動き続けない限り、この課題は実現しない、ということです。もちろん、動いたからといってそれが実現するという保証はどこにもなく、ましてや、Forum2050のような小さな小さな団体が単独であがき続けても、おそらく、何も起こらないでしょう。しかし、私たちが小さな小さなさざなみでもそれを起こし続けていることで、日本のどこか、世界の誰かとつながり、それらが共振して、より大きなうねりが生じてくる可能性があるということです。これは、まさに「言う」だけではだめで、「行う」こと、行い続けることが求められます。

 「言うこと」と「行うこと」の大きな違いは、JICAに40年近く在職したときに学びました。最大のポイントは、「行うこと」はきれいごとですまない、ということです。これまでもメルマガでも報告しましたが、今、Forum2050の中では、若い人たちが、リーダーシップを率先して発揮してくれるようになってきています。設立当初は、若い人たちからは意見を聴く、あるいは、お膳立てをしたうえでそこで活躍してもらう、ということが多かったのですが、これからは、彼らが企画し、そして何よりも「実施していく」ということが少しずつ増えていきます。おそらく、彼らは、予想以上の面倒臭いことや手間暇がかかることに遭遇するでしょう。その中で、彼らが、「行うこと」の困難さと共に、成し遂げたことの喜びを味わい、これまで以上に成長していってくれることを、私は強く願っています。

 「言うこと」と「行うこと」の大きな違いの二つ目。それは、「行うこと」には、その成果や結果だけではなく、プロセスを伴うということです。これは、私が、40歳の時に、JICAで働きながら、東大に新しくできた大学院(新領域創成科学研究科)でまとめた修論そして、名大でまとめた博論に通底するテーマのひとつでもありました。学術的には、「必須要件としての副次的効果」というややこしい術語(ハーシュマン)ともいうそうですが、平たく言えば、「何かを目指して活動していると、そのプロセスの副産物として、社会変革に必要不可欠なもの(社会的連帯、信頼、ネットワークなど)が生まれてくる」という言説です。

 Forum2050を立ち上げて、このプロセスの大切さをとても強く実感しています。

 先に述べた井上さんとの出会いや(将来における)コラボの可能性も、まさに、「教材開発」という新たに立ち上がったプロジェクトの目標に向かって動こうとしているときに、その副産物として生じたものです。単に出会えて話せてよかった、ではなく、もしコラボが奏功すれば、若い人を含む人々に刺さる発言が、支える会のプロジェクトで招聘された人々からいただけるかもしれません。また、それは、将来的にはImagine2050のコンテンツの1つとなっていく可能性もあります。

 そして、来月以降も嬉しい報告ができると思いますが、この教材開発プロジェクトによって、私たちのネットワークが拡がりつつあります。関野翔太くんは、高校の友人との対話を、梶田迪友さんは、留学生の友人との対話を試みてくれました。今月末には、特別支援学級の教員でもある梶田真琴さんが、重度の医療ケアを必要とする方との対話を試みてくれます。私の長年の尊敬する友人である畠中一郎さん(一般財団法人すこやかさゆたかさの研究所代表理事。ALS当事者)も、今度の日曜日、「平和を自分ごととして考える」ことの意味について、そして次世代への想いを語ってくれることになりました。

 7月末から8月上旬にかけて、Forum2050の面々は、国内に加えて、バングラデシュ、カンボジア、そしてフィリピンにも取材旅行に出かけます(先月述べたとおり、このために、団体の資金は底をつきますが、、、笑)。これらは、単に、教材の一部を構成する動画の撮影取材ということに留まらず、私たちの活動をより多くの多様な人々に知ってもらい、つながり、そして、未来に向けてともに歩むネットワークの形成を加速させるものであります。そして、この「行うこと」を通じて、特に、Forum2050の若手メンバーも大きく成長し、壮年メンバーはさらに経験値を蓄積してくれることと思います。

2026年度も元気でがんばりまーす!

 いつもメルマガをお読みいただきありがとうございます。

 もし、Xを使っておられる方がいらっしゃれば、お手すきの折に、私個人のサイトもご笑覧ください(https://x.com/forum2050?s=21&t=-jQeTjzOoHjrmEbKJvNwNg)。あくまでも個人として、ではありますが、平和について、未来共創について、日々の雑感を発信しております。1万回発信を目指し、ようやく280回とちょっとです。最近サボっておりましたが、またがんばります。「いいね」をいただくことはほとんどなく、フォロワーの数も僅かですが、インプレッションは少しずつ増えています。ただ、大切なのは、それらの数ではなく、日々、平和について未来共創について、自分自身が24時間考え続けるということかな、そのための修行だ、と思っております。

 末筆となりましたが、皆様におかれては、どうかこれからもお元気でお過ごしください。そして、これからも、どうかご指導ご支援をよろしくお願い申し上げます。

2026.5.20
杉並区高円寺にて
戸田隆夫
携帯:08058967912
メール:toda@forum2050.com
フェイスブック:https://www.facebook.com/takao.toda.54
X:https://x.com/forum2050?s=21&t=-jQeTjzOoHjrmEbKJvNwNg

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Forum2050は、「世界のこどもたち 一人ひとりの未来への想いが人類の未来を創る」をコンセプトに、企業や学校、教育機関等と連携しながら、子どもたちと共に未来の人類社会の平和と発展について、子どもたちが考えるきっかけを創造しています。

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