「模擬授業で見えた手応え。」――平和を形にする秋の挑戦 Forum2050メルマガ2026年10月号

※本メールは、NPO Forum2050メンバーと情報交換や名刺交換、メルマガ登録をいただいた方にご送付しております。

こんにちは。Forum2050広報担当の駒走(こまばしり)拓三です。

10月に入り、朝晩はひんやりとした秋の空気が感じられる頃となりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

私が滞在しているカンボジアでは、先月、日本のお盆にあたる伝統行事「プチュンベン(Pchum Ben)」の休日がありました。街じゅうの人々が故郷へと戻り、寺院参拝や家族・親族との食事を通して、家族の繋がりや絆を改めて確かめ合う温かい雰囲気に包まれていました。

プノンペンにある寺院
プノンペンにある寺院

大切な家族や人と過ごす時間は、私たちが守りたい「日々の平和」そのものだと感じます。当団体が子どもゆめ基金の助成を受けて開発を進めている「平和教育教材」においても、まさにこうした「自分にとって大切なもの」を見つめ直す問いからスタートしています。この1ヶ月間も、模擬授業の実施や子どもゆめ基金事務局への進捗報告など、着実に準備を進めてまいりました。

今号では、代表・戸田による秋の活動報告や、教材の進行役を務める新キャラクター(ハートちゃん・地球君)のお披露目など、盛りだくさんでお届けします!

メルマガに対する質問、ご意見ありましたらメール等でお知らせください。こんなことが知りたいなどのご要望も大歓迎です!

―今回のニュースレターのトピック―

  1. 【団体活動実績】
  2. 【Forum2050代表 戸田隆夫からの報告】
目次

団体活動実績

1.【団体活動実績】
最近の主な活動・イベント(限定公開情報)

10/3 大阪北ロータリークラブでの講演(社会奉仕・国際奉仕関係者対象)

10/7 NPO法人国際多文化教育推進協会 オンライン会合での講演「『違いを学ぶ』から『違う人と未来をつくる』へ」

10/12 「平和を自分ごとに」教材を使った模擬授業

10/14 津和野町「つわの寮」地域おこし協力隊員 青柳直希さん、新会員 古屋亮輔さんとの意見交換(オンライン、交流会多角化に向けての戦略会議)

10/16 子どもゆめ基金事務局へ進捗状況の報告資料を提出

10/23 子どもゆめ基金事務局への報告会

Forum2050代表 戸田隆夫からの報告

「気がつけば、夕闇の海の中。」――「若者とともに」歩む秋

皆様

 先日、いろいろと思うところがあり、急に海が恋しくなって、逗子海岸へ出かけました。夕闇が迫る中、波打ち際をぼんやり眺めていたはずが、気がついたら海の中で夢中で泳いでいました。

 ただ、この季節の海は正直です。上がってからはガタガタと震えが止まらず、歯の根も合わない始末、、、。「寒中水泳」と呼ぶにはまだ少し早いのかもしれませんが、私にとっては十分すぎる「寒中」でした(笑)。

 それでも、夕焼けの名残と、空に浮かぶ月を眺めていると、不思議と心が静まっていきました。皆様におかれては、お元気でお過ごしでしょうか?

夕暮れの逗子海岸で、月と夕焼けを背に
夕暮れの逗子海岸で、月と夕焼けを背に

 この1ヶ月は、来年度からの教材の普及に向けた準備を進めながら、さまざまな場で対話を重ねてきました。今月は少し短めに御報告させていただきます。

■大阪北ロータリークラブで、ふたたび

 10月3日、大阪北ロータリークラブでお話をさせていただきました。先月は青年奉仕に関わる皆様が対象でしたが、今回は、社会奉仕、国際奉仕に関わる皆様にお話ししました。

 この日、スライドの一枚に、「『若者のために』ではなく『若者とともに』」と書きました。地域に根を張ってこられたロータリーのつながりと、Forum2050が積み重ねてきた対話の方法。この二つが手を携えれば、若者やこどもたちと共に歩む、新しいかたちが生まれるのではないか。そんな想いをお伝えしました。

 ロータリークラブには、国際奉仕、社会奉仕、青年奉仕という、おおまかな役割分担があります。その中で私が訴えたのは、日本を含む世界の人々が結びつくことは、途上国を含む世界のためでもあり、日本のためでもある、つまり双方のためになる、ということでした。この点には、少なからぬ反応をいただきました。

大阪北ロータリークラブで講演する戸田隆夫。スクリーンには「『若者のために』ではなく『若者とともに』」の文字
大阪北ロータリークラブで講演する戸田隆夫。スクリーンには「『若者のために』ではなく『若者とともに』」の文字

■「違いを学ぶ」から「違う人と未来をつくる」へ(オンライン)

 10月7日には、NPO法人国際多文化教育推進協会のオンライン会合で、「『違いを学ぶ』から『違う人と未来をつくる』へ」と題してお話をさせていただきました。

 ある高校生が、コンゴ民主共和国でエボラ出血熱が広がっているというニュースを目にしました。かつては遠い国の名前でしかなかった「コンゴ」。しかし、その高校生の頭に浮かんだのは、画面越しに笑い合った友人たちの顔でした。

 違いを「知る」ことは大切です。でも、そこで止まっていないだろうか。多文化教育のゴールは、違いを理解できる人を育てることなのか。それとも、違う人と一緒に未来をつくれる人を育てることなのか。参加された皆様に、そう問いかけました。

 これまでの対話の現場から、私たちは三つのことを学んできました。違いは、説明されるより「人」に出会うほうが分かること。対話すると、違い以上に「同じ人間だ」ということが見えてくること。そして、若者は「教えられる人」ではなく、未来を語り、つくる主体であることです。

■「平和を自分ごとに」模擬授業

 10月12日、開発中の「平和を自分ごととして考える」教材を使って、模擬授業を行いました。今回は、教材開発の関係者のご家族に御協力いただき、小学校5年生と中学校3年生、それぞれお一人に授業を受けていただきました。年齢の違う二人が、同じ問いにどう向き合うのか。お二人からは、ふだんの平和学習と違って「私の大切なもの」を考えることから始まるのは意外だった、そして、そのおかげで平和をより身近に考えられるようになったのではないか、という声をいただきました。

 一方で、「話してみよう」という問いかけはもちろん良いけれど、何を話すのかをもっと具体的に、できれば繰り返して示した方がよいのでは、というアドバイスもいただきました。まさにそのとおりだと思います。さっそく教材の改善に活かしていきます。

 小さな授業でしたが、教材を磨くための大切な機会となりました。御協力いただいた皆様、ありがとうございました。

■津和野から吹く、新しい風

 10月14日、津和野町「つわの寮」の地域おこし協力隊員、青柳直希さん、そして新会員の古屋亮輔さんと、オンラインで意見交換を行いました。

 お二人とも、年次は私よりも相当若いのですが、もともとJICAで仕事をした経験をお持ちです。そんな若い人たちと、日本と世界のために、ふたたび一緒に仕事ができる。そのことに、私は大きな喜びを感じました。

 この日は、Forum2050がこれまで続けてきたジョージアとの交流会を、日本の地域おこしの視点も交えながら、どう発展させていくかについて話し合いました。

 古屋さんは、入会早々、このつながりだけでなく、ヨルダンの日本語学習者とのつながりも模索してくれています。これに呼応するように、大学生の運営メンバーである板谷明香凛さんも、自らが培ってきたルワンダとの関係で何ができるか、模索を始めています。これらの試みが、近い将来なんらかのかたちになり、つながりが拡がっていったら、すばらしいことだと思っています。

■教材の魅力を、少しだけ先にお見せします

 平和を自分ごととして考える教材の開発は、子どもゆめ基金の助成をいただいて進めています。10月16日に、その進み具合をまとめた資料を事務局に提出しました。23日には報告会が予定されています。先月「来月は教材のかたちを御報告します」とお約束しましたので、その資料から、教材の魅力を三つ御紹介します。

一つ目は、「平和とは?」から始めないことです。

 いきなり「平和とは何か」と問われても、多くのこどもたちは戸惑ってしまいます。そこで、まず「あなたにとって大切なものは何?」と問いかけます。そして、「もし平和が失われたら、その大切なものはどうなるだろう?」と考えていきます。

 試しの授業では、「平和が失われるということは、自分の大切なものが守れなくなることなんだ」という気づきが、こどもたちの中にたくさん生まれました。

トライアウトでわかったこと。「平和が失われる=自分の大切なものが守れなくなる」という気づき
トライアウトでわかったこと。「平和が失われる=自分の大切なものが守れなくなる」という気づき

二つ目は、世界の人々の声です。

 日本、バングラデシュ、カンボジア、フィリピン、ジョージアの5か国で、どの国でも同じ四つの問いを投げかけました。「私にとって大切なものは?」「世界とつながっていると感じる?」「平和が失われたら、どうなる?」「一人ひとりにできることは?」。

 お話を聞いた相手も、ALSの当事者の方、ヤングケアラーの経験をもつ大学生、ウクライナから避難してきた母子、在日ネパール人のご家族などに広げました。同じ問いに、これほど違う答えが返ってくる。そして、その奥に、どこか通じ合うものがある。この教材の一番の宝物かもしれません。

5か国で「大切なもの」と平和について聞いた取材の一覧と、四つの問い
5か国で「大切なもの」と平和について聞いた取材の一覧と、四つの問い

三つ目は、こどもたちと一緒に考える「仲間」がいることです。

 先月ちらりと御紹介したキャラクターは「ハートちゃん」になりました。そして、相棒は「地球君」です。二人は動画の進行役として、中学生に近い目線で「わからない」「考えたことがない」という本音も口にしながら、こどもたちと一緒に考えていきます。

教材の動画に登場する「ハートちゃん」(左)と「地球君」(右)
教材の動画に登場する「ハートちゃん」(左)と「地球君」(右)

 話し合いには、三つのルールがあります。「正解・間違いはない」「否定せず聴き合う」「パスも自由」。聴いているだけでも、その子はちゃんと考えている。私たちはそう信じています。

教材のねらいと構成。問いかける、考えてみる、知る・見る(動画)、対話し、さらに考えてみる、の四つの流れ
教材のねらいと構成。問いかける、考えてみる、知る・見る(動画)、対話し、さらに考えてみる、の四つの流れ

 教材は、パソコンなどの設備がなくても使えるようにしました。授業2コマの基本形のほか、20分の短い版から3コマの探究版まで、現場の時間に合わせて使える六つの案も用意しています。来年2月末に完成させ、4月から本格的に皆様のもとへお届けする予定です。

 「平和を教える」のではなく、「平和を一緒に考える」。その入口を、少しでも多くの教室に届けられたらと願っています。

 ここまでお読みいただきありがとうございます!

 団体としてのこれまでの軌跡に関しては、バックナンバーもお手すきの折にご笑覧ください。そして、これからも、どうかご指導ご支援をよろしくお願い申し上げます。

 最後になりましたが、皆様どうかくれぐれもご自愛ください。

2026.10.20

杉並区高円寺にて

戸田隆夫

携帯:08058967912

メール:toda@forum2050.com

フェイスブック:https://www.facebook.com/takao.toda.54

X:https://x.com/forum2050?s=21&t=-jQeTjzOoHjrmEbKJvNwNg

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Forum2050は、「世界のこどもたち 一人ひとりの未来への想いが人類の未来を創る」をコンセプトに、企業や学校、教育機関等と連携しながら、子どもたちと共に未来の人類社会の平和と発展について、子どもたちが考えるきっかけを創造しています。

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